他人事じゃない「高齢の親を虐待」しないための手 「困ったときに吐き出せる場所があるか」がカギ

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もちろん、「あれ?」と感じたら、変える前に一度ケアマネや事業所に思ったことを伝えたほうがいいです。特に関係が浅いうちは、お互いに感覚がずれていることもあるので、言わないと伝わらないこともあります。

自分たちがしてほしいこと、してほしくないことを言葉にして伝えたうえで、それでも変わらないようであれば、担当を変えることを検討するという順番が適切でしょう。

毎月7000円の介護用品を補助

自治体によって異なるものの、今は介護保険サービス以外にも、行政などが行う介護支援の補助事業も充実しています。

例えば、在宅の高齢者の自宅に訪問し、定期的に食事を提供しつつ、安否や健康状態の確認を行う「配食サービス」を、1食につき数百円(回数上限あり)で受けられたり、オムツが無料で給付されたり、民間の警備会社の高齢者見守りサービスを安価に受けられたりするなど、知っておくとお得な情報もあります。

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都内に住む先述の知人も、母親の介護にあたって、区が独自に行う介護用品の支給事業に随分助けられた1人。

条件を満たせば、オムツや介護用品が掲載された専用のカタログから、月7000円を上限に必要なものを選ぶと、毎月配送してもらえるサービスがあったそうです。

介護も、人や情報が頼りになります。元気なうちから地域のサービスや、コミュニティを探しておくことも、追い詰められない介護をするための「転ばぬ先の杖」となるでしょう。

(構成:ライター・松岡かすみ)

中村 明澄 向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医

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なかむら あすみ / Asumi Nakamura

2000年、東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」・緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。近著に『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社+α新書)。

 

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