他人事じゃない「高齢の親を虐待」しないための手 「困ったときに吐き出せる場所があるか」がカギ

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かかりつけの医療機関がない場合や、いざ介護が必要になったときに適切な介護につながるための第一歩となるのも、地域包括支援センターです。

すでにかかりつけの医療機関がある場合には、主治医を通じて病院にある地域医療連携室、医療福祉相談室などに相談してみてください。大切なのは、自分だけ、家族だけで抱え込むのではなく、相談に乗ってくれる場所があるのを知ることです。

日々の生活を過ごすうえで何らかの困りごとがあるときには、介護保険サービスによって、日常生活のさまざまな支援を受けることができます。

介護保険サービスには、自宅に訪問する訪問介護や訪問リハビリや、施設に日帰りで通うデイサービスやデイケアなどの通所型の介護サービスなど、さまざまな種類があります。

これらのサービスの中から、本人や家族と相談しながら、本人の状態に合わせて必要なサービスを調整するのがケアマネジャー(以下、ケアマネ)です。在宅ケアが始まるときには、それぞれの状況に合わせ、どのサービスを利用すればよいか、ケアマネと相談して決めていくことになります。

ケアマネを選ぶための相談窓口も、先述の地域包括支援センターです。ただ、同センターはあくまで窓口であって、ケアマネ(あるいは所属する事業所)を選んでくれるわけではありません。基本的には、介護保険サービスの事業者が一覧で掲載されている冊子やウェブサイトなどの情報を参考に、それぞれが選ぶという手順になります。

ケアマネ選びが難しい理由とは

実は、この選び方が「難しい」という声を、よく耳にします。

実際、母親の介護のためにケアマネを選ぶことになった50代の知人女性も、「分厚い電話帳みたいな冊子を窓口で渡されたけれど、こんなにたくさんある情報の中から、一体どうやって選んだらいいのか、さっぱりわからない」と途方に暮れたそうです。

職業柄、情報感度も高い知人ですが、事業者選びの材料になるような口コミサイトなどもないため、仕方なく1件1件、冊子にある事業所に電話をかけ、地道に調べるしか方法がなかったといいます。

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