例えば、冷蔵庫やエアコン、給湯器など、日常的に使用する家電にセンサーが搭載されており、長時間使われなかったときや異常な動きがあったときに、あらかじめ登録しておいた人に通知がいく“見守り家電”や、離れた場所に暮らす親が過ごすリビングや寝室などにカメラを設置し、映像を指定のデバイスに送信する介護用の見守りカメラなど、ここ数年でさまざまな商品やサービスが台頭しています。
筆者が見てきたなかでは、認知症の患者さんの家族にドアの開閉の際に専用アプリに通知がいくスマートセンサーを上手に使っている人がいました。深夜の徘徊対策に導入したものですが、何時に家を出たのかに加え、その時に着ていた服装もわかるため、探すときに役立つ場面も多かったようです。
もちろん、こうした見守り系のテクノロジーは、設定したからといって安心というわけではありません。遠方に住むなどいざというときに駆けつけられない状況なら、そのための対策が別途必要で、通知がきたときにどうするのかという行動までセットで考えるのが大事です。
見守りでいえば、それがプライバシー侵害にあたらないよう、“監視”にならないための配慮も必要です。
「難しいから」と敬遠しないで
約8割の人が病院で亡くなる時代ですが、「住み慣れた場所で最期を迎えたい、できるだけ最期まで過ごしたい」と願う人は少なくありません。
厚生労働省の調査(「令和4年度 人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」)によれば、「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」との問いに対して、「自宅」との回答が43.8%で最も多いという結果でした。

本当は家で過ごしたいけれど、さまざまな事情からそれが難しい。そんなときに介護テクノロジーが解決の一助になる場合があります。
最新のテクノロジーは、機械音痴の人でも取り入れやすい、使い勝手がよいものがたくさんあります。「難しいから」と敬遠せず、まずはどんなものがあるか、いざというときに取り入れられそうなものはあるか、関心を持っておくことは大切です。
(構成:ライター・松岡かすみ)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら