「1分で600個の卵割る」海外人気も高まる“キユーピー マヨネーズ”100周年の製造現場

「これって整髪料?」
そんな誤解から始まった日本初のマヨネーズ「キユーピー マヨネーズ」は、いまや日本の食卓に欠かせない存在となり、国内シェア約5割を誇る定番調味料へと成長した。
そして2025年、キユーピー株式会社はそのマヨネーズ発売から100周年を迎えた。節目の年にあたる今年、全国4カ所にある見学施設の中から、茨城県の五霞工場を訪ねた。
ここは東日本をカバーする調味料の主要生産拠点であり、マヨネーズ、ドレッシング、割卵という3つの工程を見学できるのが特徴だ。担当者の案内のもと、その舞台裏やこれからの展望について話を聞いた。
欧米のレシピをそのまま使わなかった創始者の工夫
キユーピーの創業は1919年。創始者・中島董一郎氏は1910年代に渡米した際、アメリカで一般的だったマヨネーズに注目した。当時の日本ではまだなじみの薄かった「卵を使った乳化調味料」を、日本人の体格向上のために広めたいという思いから、1925年に日本初のマヨネーズを製造・発売。発売以来、キユーピー マヨネーズはずっと栄養価の高い卵黄タイプだ。

「中島は、欧米のレシピをそのまま日本に持ち込むことはしませんでした。特に酢には強いこだわりがあり、当時の日本ではマヨネーズに適した洋風酢が手に入らなかったことから、専用酢の開発に踏み切ったんです」(キユーピー五霞工場 坪井夕香さん:以下同)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら