24年に市況は反発「半導体マネー」に沸く世界の今 インドまで参入、官民入り乱れた投資合戦に

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代表的なのは、やはり台湾の半導体受託製造大手・TSMCの熊本工場だろう。2024年末の稼働を目指して建設が進んでおり、総投資額約1兆円のうち政府が最大4760億円を助成する。水面下ではすでに第2工場の補助金交渉も進んでいる。第3工場建設までは既定路線となっており、大規模な支援は今後も続くことになりそうだ。

2021年以降、政府は投資補助を大型化する法改正を行うなど半導体産業への支援を国策として進めてきた。2022年度の補正で計上した関連予算は1兆3000億円。前代未聞の規模だ。

材料や製造装置への支援も強化

半導体に加え半導体材料や製造装置メーカーへの支援も強化。大規模な設備投資を計画しているシリコンウェハー世界2位のSUMCOやパッケージ基板で世界トップのイビデンへの支援を決めた。助成額は数百億円と、こちらも空前の規模。初期投資に限らず、長期で税優遇を行う税制の検討も進んでいる。

こうした補助金を見込み、SBIホールディングス(HD)も台湾3位の半導体受託製造大手PSMCと新会社「JSMC」を設立し日本での工場建設を計画するほどだ。工場予定地は未定ながら「総投資額は8000億円規模になる」(SBIHDの北尾吉孝会長)。

次ページ世界でも相次ぐ、半導体工場の誘致・建設
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