TSMC、中国向け「先端AI半導体」の製造受託停止へ アメリカ政府の対中輸出規制強化の前触れか

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TSMCは先端プロセス技術を用いるAI半導体の受託製造をほぼ独占している。写真は7nmプロセスの量産を担う台中市のFab15(同社ウェブサイトより)

半導体の受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、中国の半導体設計会社の一部に対して、回路線幅7nm(ナノメートル)以下のプロセス技術を用いるAI(人工知能)半導体の製造受託ができなくなると通知したことがわかった。

財新記者の取材に応じた複数の関係者が明らかにした。この情報に関する記者の質問に対して、TSMCは「臆測にはコメントできない」と前置きしたうえで、「わが社は(関係国の)輸出管理規則をはじめ、順守すべきすべての法律と規則に厳格に従っている」と回答した。

技術的な線引きは不透明

AI半導体の設計を手がける中国企業の幹部によれば、TSMCの通知は(自社以外の)同業者にも届いたものの、製造受託を打ち切ること以外の詳細は書かれていないという。AI半導体以外なら7nm以下のプロセスを利用できるかどうかなど、技術的な線引きは不透明だ。

ある事情通の専門家によれば、TSMCは中国の半導体設計会社向けの7nm以下の製造受託を一律に打ち切るのではなく、その他の要件を組み合わせて対象を絞る可能性が高い。具体的には、チップに組み込まれたトランジスタの数やチップのサイズ、メモリーの帯域幅などだ。

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