有料会員限定

デンソー、ホンダが車載半導体を自ら握る意味 「トヨタですら知見は十分とはいえない」

✎ 1〜 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

EVや自動運転で半導体の調達は必須だ。先端品の開発も視野に。

デンソーの林新之助社長
デンソーは2030年までに半導体領域に5000億円を投じる(写真:デンソー)

特集「半導体 覇権」の他の記事を読む

半導体業界がざわついている。震源地は時価総額で一時、世界一となったアメリカのエヌビディアだ。AI半導体ブームに乗って急成長し、マイクロソフトなどGAFAMも一目置く。「半導体 覇権」特集では、エヌビディアの強みと死角、そして巻き返しを図る日本勢の今をリポートする。

自動車業界においても、今や半導体はなくてはならない重要部品として、存在感が日に日に高まっている。EV(電気自動車)や自動運転、ソフトウェアといった先進領域が増え続ける自動車にとって、半導体の調達は生死を分けるといってもいい。

事業規模を3倍まで拡大

日本勢で積極的な姿勢を示すのがデンソーだ。

「2030年までに約5000億円の積極投資を進め、35年には事業規模を現在の3倍まで拡大する」。デンソーの林新之助社長は半導体事業の売上高を7000億円まで引き上げると明言する。同社の半導体事業は現状、2000億円超とみられる。

デンソーの場合、EVの航続距離に直結する電費向上や温室効果ガス削減に寄与する、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を開発。自動運転技術に欠かせないSoC(システム・オン・チップ)も半導体ベンダーと共同開発することで高性能半導体の調達力を強化する。

そもそも自動車業界はコロナ禍にサプライチェーン(供給網)の混乱で極度の半導体不足に陥った苦い経験がある。納車期間は年単位で長期化し「造りたくても造れない。今までにない経験だった」(大手自動車メーカー幹部)。従来はティア1(1次取引先)のサプライヤーが半導体メーカーから調達することが多かったが、自動車メーカー自らが半導体に向き合おうとしている。

半導体を重視しているのはデンソーばかりではない。

関連記事
トピックボードAD