政府支援の光と影「半導体人材」が増えぬ深刻事情 東大・竹内氏「AI半導体で日本に勝ち筋はある」

モノだけでなく、人材への投資も重要
――国の半導体政策をどう評価していますか。
TSMCやラピダスなど半導体の製造・開発に関する助成・支援は、日本が強みを持つ素材産業や製造装置メーカーには追い風だ。次は「何を作るか」という回路設計への支援に力を入れる必要がある。
AIを実行するコンピューター・半導体の研究開発には、製造よりははるかに少ない投資でよい。製造工場などモノへの投資だけでなく、回路設計者という人材への投資も重要になる。
――何を作るのか、というのは重要なポイントのはずです。なぜ設計分野の重要性が理解されづらいのでしょうか。
大きな理由としては、産業界の受け皿が減ってしまった。日本の半導体メーカーの多くが負けてしまったことが影響している。30年前には世界の半導体メーカーの売上高ランキング上位の多くを日本企業が占めていたが、今ではトップ10に入っていない。