
黒のポロシャツが2014年ごろから革ジャンに(撮影:笠原一輝)
半導体業界がざわついている。震源地は時価総額で一時、世界一となったアメリカのエヌビディアだ。AI半導体ブームに乗って急成長し、マイクロソフトなどGAFAMも一目置く。「半導体 覇権」特集では、エヌビディアの強みと死角、そして巻き返しを図る日本勢の今をリポートする。
人前に出るときは、つねに黒の革ジャンを着るというこだわりを持つ、米エヌビディアのCEO、ジェンスン・フアン。古参の記者の間ではいつからか「去年の写真を使い回せるのでは」との冗談も出ていたほどだ。筆者はフアン氏を取材して20年近くになるが、今や業界ではすっかりフアン氏=革ジャンのイメージが定着した。
その革ジャンは特注で、かつては毎年3月の自社の開発者会議「GTC」に合わせて更新し、着終わると自分の息子に譲っていたという。
近年は台湾に行くごとに夜市を訪れるのが恒例で、地元のテレビ局に追いかけられることもたびたび。この6月開催のコンピューター国際見本市「COMPUTEX」では、蒸し暑いさなかの台北でも革ジャンを脱がなかった。
日本のラーメンもこよなく愛する
実はフアン氏は日本のラーメンもこよなく愛する。
かつて日本で開いた会見の最後15分がラーメンの話に終始したことは記者の間で語り草になっている。来日時に従業員と連れ立ってラーメン店を訪れるが、麺とスープと少ない具から構成されるラーメンを例に取り、他人がまねできないような何かを作ることが大事だと熱く語るという。
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