米韓3社がしのぎを削る。決め手はニッチを攻めた研究開発だった。

米エヌビディアのGPU(画像処理装置)をはじめ、AI(人工知能)半導体の需要が急速に高まるにつれ、新たな分野への注目も、がぜん高まっている。その筆頭が「HBM」だ。
HBMとは広帯域幅メモリーを指し、超高性能なDRAMを意味する。DRAMは、CPU(中央演算処理装置)やGPUなど演算用のロジック半導体で計算する際、一時的にデータの読み出し・書き込みを行うための記憶の保存先として使われる。
HBMは一時記憶装置として段違いの容量や読み書きのスピードを満たすよう、DRAMを何層にも重ね合わせることで、1つの超高性能DRAMとして使えるようにしたものだ。主にデータセンターのサーバーで行われるAIモデルの学習や推論に必要で、スマホやパソコンで使われる一般的なDRAMに比べて処理できる計算量が圧倒的に多い。
業界を牽引するSKハイニックス
現状、DRAM市場全体を寡占しているのは、韓国サムスン電子、韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの3社で、中でもサムスンの存在感が大きく世界シェアの4割強を持つ。が、高性能のHBM市場の5割を握って業界を牽引するのは、SKハイニックスだ(下図)。
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