圧倒的な強みの源泉には、400万人にものぼる同社製GPUのユーザーコミュニティーがあった。

2022年に発表されたデータセンター向け最新GPU「H100」。1基500万円近くという価格にもかかわらず、世界中から注文が殺到している(写真:エヌビディア)
昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
半導体企業のチャンピオン、と聞いてイメージするのはどの企業だろうか。
製造受託での存在感を誇る台湾TSMCを思い浮かべる人が多いかもしれない。だが少なくとも時価総額では米エヌビディアが断トツだ。
同社の時価総額は2023年に入ってから3倍にも膨れ上がった。世界では米アップル、マイクロソフト、アマゾンに次ぐ第4位で、ほかの半導体関連企業を圧倒している。
同社はGPU(画像処理装置)の企画・設計を手がけるファブレスメーカー。GPUは画像や映像の処理が専門であり、ゲーミングPCなどで映像を滑らかに表示するために用いられてきた。

生成AIの急速な普及が追い風に
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら