AI開発熱が高まる日本。だが、AIの精度を左右する計算インフラ、GPUを十分に確保できていない。

千葉県・柏市の郊外にある東京大学の柏キャンパス。その敷地内に設置されているのが、産業技術総合研究所が運営する大規模なAI開発に特化したスーパーコンピューター「AI橋渡しクラウド(ABCI)」だ。
AIの計算資源として搭載されているのは、米エヌビディアのGPU(画像処理装置)。1世代前の「A100」を960基、その前世代の「V100」を4352基備える。
ここで9月末まで2カ月にわたり大規模言語モデル(LLM)の開発を行っていたのは、AIベンチャーのプリファードネットワークスだ。LLMは米オープンAI製が代表的だが、そうした汎用モデルと比べて、プリファードのものは日本語の性能を向上させ、文章に加え画像や音声、空間情報、ゲノムといった多様なデータを扱えるようにする。開発したLLMはこの9月末に公開された。
「札束で殴り合う」ような戦い
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