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日本の生成AI戦略を阻む「GPU買い負け」の現実 勝ち馬・米MSは3カ月で1.5兆円の設備投資

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AI開発熱が高まる日本。だが、AIの精度を左右する計算インフラ、GPUを十分に確保できていない。

スーパーコンピューター「ABCI」のサーバールーム
産総研のスーパーコンピューター「ABCI」のサーバールーム(写真:産業技術総合研究所)

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昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
『週刊東洋経済 2023年10/7特大号(半導体 止まらぬ熱狂)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

千葉県・柏市の郊外にある東京大学の柏キャンパス。その敷地内に設置されているのが、産業技術総合研究所が運営する大規模なAI開発に特化したスーパーコンピューター「AI橋渡しクラウド(ABCI)」だ。

AIの計算資源として搭載されているのは、米エヌビディアのGPU(画像処理装置)。1世代前の「A100」を960基、その前世代の「V100」を4352基備える。

ここで9月末まで2カ月にわたり大規模言語モデル(LLM)の開発を行っていたのは、AIベンチャーのプリファードネットワークスだ。LLMは米オープンAI製が代表的だが、そうした汎用モデルと比べて、プリファードのものは日本語の性能を向上させ、文章に加え画像や音声、空間情報、ゲノムといった多様なデータを扱えるようにする。開発したLLMはこの9月末に公開された。

「札束で殴り合う」ような戦い

次ページ群を抜くマイクロソフトの投資規模
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