有料会員限定

経産省の半導体戦略、打ち上げて終わりにするな 萩生田光一政調会長が語る半導体戦略と経産省

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小
前経済産業相 萩生田光一氏
萩生田光一(はぎうだ・こういち)/前経済産業相。1963年生まれ。明治大学卒業後、八王子市議会議員、東京都議会議員を経て、2003年衆議院議員選挙に初当選。19年文部科学相、21年経済産業相。現在は自民党政務調査会長。(撮影:尾形文繁)

特集「半導体 止まらぬ熱狂」の他の記事を読む

昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
『週刊東洋経済 2023年10/7特大号(半導体 止まらぬ熱狂)[雑誌]』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

永田町の用語で、大臣のまま担当省庁だけかわる人事を「横滑り」という。私が、文部科学相を2年勤めて、2021年10月に経済産業相になったとき「経産大臣に横滑りです」とニュースで流れた。

私は「滑る」という響きが嫌で、就任時に「経産相に『横滑り』で来たんじゃなくて、『横っ飛び』で来たんだ」と言った。そして、「文科省でやってきた研究人材育成と、経産省がやっている技術の社会実装をつなぐのが私の仕事だ」と宣言した。

経産相の就任時は、TSMCの工場誘致はほぼ決まっていた。それは日本の半導体産業の遅れを取り戻すための施策だが、「海外企業を誘致して終わり」ではなく、誘致をベースに日本の産業としてもっと発展させていかなければならない。それには人材の確保・育成といった人的投資にも注力しないといけないと、就任当初から考えていた。

そこで私は半導体人材の育成に経産省と文科省が協力して取り組むよう指示をし、九州地域で産学官が連携して人材育成に取り組むようなコンソーシアムの立ち上げを行った。今年7月には熊本県の教育機関を訪問して、取り組み状況を確認してきたが、大学、高専での半導体人材育成の取り組みが想像以上のスピードで進んでいると実感した。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
半導体 止まらぬ熱狂
半導体不足は終わったの?ムーアの法則って?
材料、装置で日本企業が「独壇場」の工程も
8社への出資交渉は自ら、EUV立ち上げも最速で
"戦略物資"半導体を巡る日本の立ち回り方とは
アドバンテスト社長が語る半導体市況の展望
レーザーテックの岡林理社長が語る成長戦略
萩生田光一政調会長が語る半導体戦略と経産省
勝ち筋を検証、時間的な猶予はあと10年もない
株価はIntelの約7倍、半導体業界のトップに
勝ち馬・米MSは3カ月で1.5兆円の設備投資
量産開始は27年頭、遅れは集客に響きかねない
すでに第3工場の交渉も、どんな需要を見込める?
CMOSセンサーの製造技術を活用し、24年に量産
突っ走る欧米勢、猛追する中国勢に挟まれ・・・
日本の虎の子「半導体材料」業界に広がる波紋
成熟した技術だが、次世代パワー半導体に強み
GPUよりAIに特化の半導体、SiC、GaNの「次」まで
ドキュメント「経産官僚たちの半導体戦争」
米マイクロンは後工程の工場建設を計画中
甘い条件で呼び寄せて、「お払い箱」に!?
紛争6年、中国の打てる手は少なくなっている
最高益でも割安、四季報が強気、高配当・・・
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内