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蘭ASML独走の露光装置で「キヤノン」に吹く追い風 成熟した技術だが、次世代パワー半導体に強み

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パワー半導体で伸びるキヤノン。ニコンは25年ぶり新商品。

キヤノンのi線露光装置
キヤノンのi線露光装置。生産性を上げるなど、改良を続けてきた(写真:キヤノン)

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昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今、世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
『週刊東洋経済』2023年10月2日発売号(10月7日号)は「半導体 止まらぬ熱狂雑誌」を特集。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ウェハーに回路を焼き付ける工程で用いる露光装置。「史上最も複雑な機械」といわれ、微細化技術の中核を担ってきた。

金額ベースのシェアは蘭ASMLホールディング、キヤノン、ニコン3社による寡占。ただその8割を握るのはASMLだ。

2000年代までは日本勢で7割を占めたが、10年代にASMLがEUV(極端紫外線)露光装置を投入すると形勢は逆転。EUVは先端半導体の超微細な回路パターンを描くことが可能で、1台数百億円と高額だ。ASMLは、これを独占的に供給している。

微細化の主役の座をASMLに明け渡した日本勢だが、近年は盛り返しの兆しがある。

販売台数ベースでシェアを伸ばすのが、キヤノンだ。足元の需要増を受けて総額500億円を投じた露光装置の新工場を造り、25年春には製造能力を倍増させる計画だ。

SiC、GaNパワー半導体向けで成長

次ページ先端半導体向けでも近年存在感を増す
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