日本企業が強みを持つパワー半導体の競争状況に異変が生じている。
昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
次世代の半導体素材SiC(炭化ケイ素)を用いたパワー半導体を採用する日本車メーカーが相次いでいる。
トヨタ自動車は2023年3月、「レクサス」初のEV(電気自動車)専用モデル「RZ450e」(新型RZ)を発売した。「新型RZ」は、EVの駆動装置であるeアクスルにSiCパワー半導体を搭載。トヨタ自動車のEVとしては初めてのことだ。ホンダも26年発売予定のEVで、SiCパワー半導体搭載のeアクスルを採用予定だ。
EVは、電池にためた電気だけで走るため、航続距離を伸ばすうえでは電力を無駄にしない仕組みが求められる。充電時間の短縮も、EVの普及に向けた課題として以前から挙げられてきた。
高い省エネ性能
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