ドイツのインフィニオンが相次いで巨額投資を発表している。一方で注力中のSiCパワー半導体では、競合とは異なり、材料となる基板を自社生産しない方針を採る。急速にEV化が進む今後5年間の、パワー半導体の技術進化と業界動向をどう見ているのか。
2工場に最大計120億ユーロを投資する
――ルネサスエレクトロニクスやデンソーの存在感が大きい日本市場でも、インフィニオンは車載半導体の売り上げを伸ばしています。
品質に対する要求値の高い日本でビジネスを行うことは、決して簡単ではない。しかし30年間にわたり努力してきた結果、顧客の要求に応えられる品質の製品を供給できる会社だと認められるようになった。日本市場でのわれわれの車載半導体シェアは現在2位だ。このポジションを、さらに拡大していきたい。
品質に対する高い要求ゆえに、日本市場は重要だ。日本向けのビジネスを通じて品質への情熱が社内に醸成され、これが他地域での成功にもつながるからだ。
ここ2年間の半導体不足を通じて、日本の自動車メーカーに関して気づきがあった。彼らは(他国のメーカーと比べて)長期スパンでの物事を考えているということ。半導体不足で部品の割り当てを考えなければならない事態になったが、在庫を多く抱えていた日本メーカーは比較的対応する準備ができていた。
――EV化を追い風に業績は絶好調です。高成長はいつまで続きますか。
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