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リョーサン「半導体商社の勝ちパターンが変化」 菱洋エレクトロとの統合を決めた稲葉社長

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半導体商社の中堅2社が存続を賭けて経営統合することを決めた。2社の経営トップを直撃した。

リョーサン稲葉社長
リョーサンの稲葉和彦社長。菱洋エレクトロの中村守孝社長と交流を持った当初は、統合まで考えていなかったと話した(撮影:尾形文繁)

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2023年5月、中堅半導体商社のリョーサンと菱洋エレクトロが経営統合を決めた。具体的な統合方法は未定ながら、2024年4月までの統合を目指す。半導体産業全体の競争力を高めていく流れにある今、2社の統合はほかの半導体商社にとって刺激剤になりそうだ
リョーサンはNEC系列の商社で、現在は主にルネサスエレクトロニクスの製品を扱っている。統合に踏み切る背景には何があったのか。稲葉和彦社長に聞いた。


──菱洋エレクトロとの統合はどのようにして決まったのでしょうか。

「菱洋エレクトロの中村守孝社長は面白い人だから会っておいたら」と、前社長(栗原宏幸・現相談役)に言われたのが始まり。2020年2月に私が社長に就任してから1年くらい経った頃のことだ。中村社長とはそれまでほとんど接点がなかった。

私も含めて半導体商社の経営者にはプロパーが多い。話の内容もだいたい似通ってしまう中で、百貨店業界出身の中村社長は視点がぜんぜん違っていて話が刺激的だった。その後、一緒に食事をする機会も増えて、弟のようにかわいがってもらっていた。

当初は統合までは考えてなかったのだが、業界の抱えている課題や危機感、商社はこうあるべきだといった志の部分が非常に合った。1年くらいそうやってお付き合いする中で、統合に向けての具体的な話が進んでいった。

メーカーの再編になす術がない

──共通していた課題や危機感とは。

2000年代に入って、海外の半導体メーカーでは合従連衡が進み、国内でもその流れが起きた。とくに大きかったのがルネサスエレクトロニクス。2003年に日立製作所と三菱電機の半導体事業が統合されて、2010年にはNECの事業も合流した。

メーカーの合従連衡がどんどん進み、商社はその影響をモロに受けてきた。統合前の各社の代理店がそのままぶら下がった状態は、統合後のメーカーからすると望ましくない。結果、どちらかの代理店はそのメーカーの商権を失う。こういうことが頻繁に起きてきた。

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