半導体大手のTSMCが国内2カ所目の工場検討を表明した。経済効果は莫大だ。
「日本で2つ目の工場建設を検討している」。台湾の半導体受託製造最大手、TSMC(台湾積体電路製造)の魏哲家CEO(最高経営責任者)は1月12日に開催した決算会見でそう明らかにした。
TSMCは半導体業界における最重要企業と言っても過言ではない。製造技術で最先端を走り、スマートフォンやパソコンの脳にあたるロジック半導体の最先端品を製造するには欠かせない存在になっている。1月17日時点の時価総額は55.3兆円と業界トップ。誰もが知る半導体企業である米インテルの時価総額は15.9兆円で、実に3倍以上の差があることからも、その重要性が見て取れるだろう。
2022年12月期も業績は好調だ。売上高は9兆5900億円(前期比42.6%増)、純利益は4兆3000億円(70.4%増)と過去最高を更新した。足元で半導体業界が調整局面を迎えている中でも、着実に利益を上げ続けている。
TSMCの工場建設が進む熊本はお祭り騒ぎ
そんなビッグネームがなぜ、日本への投資を加速させているのか。背景にあるのは台湾有事のリスクだ。自民党の半導体戦略推進議員連盟で会長を務める甘利明氏は「台湾有事が起きてTSMCが製品を出荷できなくなれば、世界の半導体供給の6割が止まる」と危機感をあらわにする。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら