さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。
選択と集中
「選択と集中」は総合電機業界のキーワードだ。不採算事業を売却し、新たな成長の種としてIT分野を強化する動きが続いている。そんな中、2023年の動きが注目されるのが日立製作所と東芝だ。再編をめぐる両社の動きには大きな差が生まれている。
22年は日立にとって大きな節目の年だった。10年以上を費やしてきた再編に区切りがついたからだ。10〜11月にかけて、日立金属、日立物流の2社に対するTOB(株式公開買い付け)が成立し、売却が確定した。これによって、09年時点で22社もあった上場子会社はゼロになる。
今後は「成長へのモードシフト」(日立製作所の小島啓二社長)を進めていくことになる。その戦略の中心となるのが、16年に掲げた「ルマーダ」だ。ルマーダとは、データを活用して企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するサービスの総称だ。顧客の課題を理解・解決し、その運用や保守までを担う。
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