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証券界で売買手数料の完全無料化は広がるか SBI・北尾氏の「宣言」で業界に激震走る

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さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。

東証アローズの電光掲示板
(写真:Ystudio / PIXTA)

特集「2023大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

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手数料引き下げ競争に終止符

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「来年度の上半期にはオンラインの国内株式取引の売買手数料無料化を図る」──。

ネット証券最大手・SBI証券を抱えるSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は、11月に開いた決算説明会でそうぶち上げた。

株式を売買する際の手数料が完全に無料化されれば、証券会社は重要な収益源を失うことになる。ネット系以外の証券会社にとっても対岸の火事ではない。

1999年の株式委託手数料自由化から23年。ネット系の証券会社を中心に手数料の引き下げ競争が続いてきたが、ついに終止符が打たれることとなる。SBIは証券口座数3000万(2022年9月末時点で918万口座、傘下4社の合計)という途方もない目標を掲げている。手数料無料化は目標達成に向けた施策の1つという位置づけだ。

あるネット証券大手の関係者は「3年前の宣言どおりで、ある意味予想はしていた。今後の推移を見守りたい」と警戒する。手数料無料化に追随すれば、会社によって差はあるものの、3割から5割もの収益を失いかねないからだ。

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