野村証券、ネット取引で「大幅値下げ」の勝算

まさかの信託報酬ゼロ、信用金利も引き下げ

野村証券が繰り出した新たな一手はどれだけ効果を発揮するか(撮影:尾形文繁)

証券業界最大手の野村ホールディングスが重い腰を上げた――。営業社員が顧客と直接面会し、アドバイスを行う対面スタイルの営業で他社を圧倒してきた野村。ここに来て不得意だった非対面の部門で新戦略を次々と打ち出している。

野村は2月下旬に信託報酬ゼロの投資信託「スリーゼロ」の発売と信用取引の金利引き下げを相次いで発表した。いずれも対面チャネルでは取り扱わず、非対面のネットチャネル限定だ。今回の施策で野村は「対面中心で手数料の高い証券会社」というイメージを払拭し、これまで得意としてきた富裕層以外の顧客層開拓にも力を入れる。

信託報酬が10年間無料

投資信託を購入する際に投資家が支払うコストは主に購入時の販売手数料と毎決算期ごとの信託報酬(運用管理費用)の2つ。このうち購入時の手数料については非対面の販売チャネルであるネット専業証券を中心に無料化が進んでいる。いわゆるノーロード化だ。

信託報酬とは顧客が投信を購入してから売却するまでの間、預けている金額に対して一定の割合で負担し続ける費用のこと。信託報酬は投信を販売した証券会社、運用の指図を行う委託会社、実際に資産運用をしている信託銀行の三者に収益が分配される仕組みだ。

今回野村が発表した「野村スリーゼロ先進国株式投信」は、つみたてNISA専用の投資信託で、販売窓口は野村証券のオンライン窓口「野村ネット&コール」と「野村ホームトレード」限定だ。2030年までの10年間の信託報酬と販売手数料、換金時の信託財産留保額の3つがすべて無料になる。

例えば、野村の新しい投信と同じ指数(インデックス)に連動する先進国株型の投資信託と比べるとどうか。

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