さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。

きらやか銀行は有価証券でも多額の含み損を抱えている
ウクライナ、気候変動、インフレ……。混迷を極める世界はどこへ向かうのか。12月19日発売の『週刊東洋経済』12月24-31日号では「2023年大予測」を特集(アマゾンでの購入はこちら)。世界と日本の政治・経済から、産業・業界、スポーツ・エンタメまで108のテーマについて、今後の展開とベスト・ワーストシナリオを徹底解説する。この記事は本特集内にも収録しています。
各国の利上げで損切り続く

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「ここまで速いとは思わなかった」。地方銀行幹部が口をそろえるのは、米連邦準備理事会(FRB)による利上げだ。アメリカを筆頭に世界中で進んだ利上げは、海外でのビジネス展開をほとんど行っていない地方銀行にも、影響を及ぼしている。
地銀は貸し出しに加えて、有価証券の運用も盛んに行っている。もともとは日本国債への投資が中心だったが、日銀のマイナス金利政策によって収益性が低下。相対的に利回りの高い、海外の国債や事業債への投資を積極化した。
日銀によれば、2022年9月時点で全国の地銀の有価証券残高は日本国債が16.7兆円なのに対して、債券などの外国証券は13.5兆円もある。米ドルやユーロ建てで投資を行っているため、各国の利上げによって債券価格が下落し、含み損が発生しているのだ。
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