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「地方銀行」を直撃する海外中銀の金融引き締め 「ゼロゼロ融資」の返済本格化も23年の懸念材料

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さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。

下から見上げた、きらやか銀行の看板
きらやか銀行は有価証券でも多額の含み損を抱えている

特集「2023大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

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各国の利上げで損切り続く

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「ここまで速いとは思わなかった」。地方銀行幹部が口をそろえるのは、米連邦準備理事会(FRB)による利上げだ。アメリカを筆頭に世界中で進んだ利上げは、海外でのビジネス展開をほとんど行っていない地方銀行にも、影響を及ぼしている。

地銀は貸し出しに加えて、有価証券の運用も盛んに行っている。もともとは日本国債への投資が中心だったが、日銀のマイナス金利政策によって収益性が低下。相対的に利回りの高い、海外の国債や事業債への投資を積極化した。

日銀によれば、2022年9月時点で全国の地銀の有価証券残高は日本国債が16.7兆円なのに対して、債券などの外国証券は13.5兆円もある。米ドルやユーロ建てで投資を行っているため、各国の利上げによって債券価格が下落し、含み損が発生しているのだ。

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