有料会員限定

生保は重荷のコロナ支払いで増収減益が相次ぐ 自然災害響く損保は新種保険開発がカギに

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。

オミクロン株対応のワクチン接種の様子
入院給付金の支払件数のうち約9割を「みなし入院」が占めた(写真:時事)

特集「2023大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

生命保険各社の2023年3月期決算では、「増収・減益」となる会社が多くなりそうだ。

まず保険料の増収要因としては米国金利など外国金利の上昇に伴って、外貨建ての保険商品の販売増が続いていることが挙げられる。銀行の窓口販売や営業職員チャネルなどで一時払いの外貨建て保険がよく売れている。

「みなし入院」で爆増

一方、減益要因としては、新型コロナウイルスの感染拡大による入院給付金や死亡保険金の支払額の増加によって、生保各社が想定した利益(危険差益)を得られなかった影響が大きい。

生命保険協会の発表によると、21年度の入院給付金の支払金額は業界全体で約1000億円だったのに対して、22年度上半期(4〜9月)では約4700億円に急増した。医師の管理下で自宅療養する、いわゆる「みなし入院」を支払い対象にしたことが主因だ。

ただ9月26日に政府がコロナ罹患(りかん)者の全数把握を取りやめたことで、「みなし入院」に対する給付金の支払対象者が「65歳以上の人」「妊娠中の人」などに限定された。給付金の支払対象者が約7割減る見通しだが、まだ楽観はできない。

次ページ損害保険は自然災害響き減益に
関連記事
トピックボードAD