要確認!「入ったらダメな保険」と「損する保険」 セールストークを鵜呑みにしてはいけない
「外貨建て生命保険」のワナ
「生命保険だけれど、高利回り運用が可能です」とすすめられるのが、「外貨建て生命保険」です。生命保険には、「死んだときにお金が出る」「病気やケガで入院したらお金が出る」という2つの保障があります。ここに日本より運用利回りのいい貯金機能をつけたのが、「外貨建て生命保険」。しかも、保険料を日本円ではなく外貨で支払い、保険金や満期金も外貨でもらうという商品です。
「外貨建て生命保険」が、日本円ではなくわざわざ外貨で保険料を払ったり、保険金をもらったりする理由は、「低金利の日本と違って金利が高い外国の通貨なら、高い金利で運用できるから」と説明されます。
たしかに、日本の保険の運用利回り(予定利率)は0.3%ですが、「外貨建て生命保険」は1~2%。これは運用利回りが高い海外の金融商品で運用するから。例えば、アメリカの国債は30年債なら2.426%(2019年11月8日現在)です。
生命保険は、短期で売り買いするものではなく、長期でお金を預けるので、保険会社は、保険に加入させると同時に、2.426%の30年アメリカ国債を買えば、加入者に1~2%を支払っても、確実に30年間は2.426%で運用できるので儲かります。
ところが、外貨建てだと、為替レートの変動によって、受け取る保険金や満期金が目減りする可能性があり、そのリスクを負うのは保険の加入者です。「外貨建て生命保険」は、商品を販売する保険会社にとってはノーリスクで保険として手数料を稼ぎ、外貨商品として為替手数料を稼ぐという、二重に手数料が手に入る、“美味しい商品”なのです。
しかし、生命保険というのは、いわば「自分の命や健康をかけた“クジ”」です。例えば、ドル建ての「外貨建て生命保険」に加入したとしましょう。これは、生命保険という“クジ”をドルで買い、死亡時には死亡保険金がドルで支払われ、病気なったら入院給付金がドルで支払われ、満期のお金もドルで支払われます。
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