平均寿命更新で再考したい「老後のお金」の真実 あなたは何歳まで生きる準備をしていますか
厚生労働省は7月31日、2019年の日本人の平均寿命が女性87.45歳、男性81.41歳だったと発表しました。男女とも8年連続のプラスで、最高記録を更新しています。
ファイナンシャルプランナーである筆者のもとに寄せられる相談内容からは、長生きすることを恐れている現役世代が増えている印象を受けます。人生100年社会、超長寿社会において、現役世代が進めておくべき準備について考えてみます。
平均寿命まで生きる人は6割超という現実
「平均貯蓄」に関する話として、平均値を計算すると、一部の資産家の貯蓄に引っ張られて多めの金額になってしまう、というものを聞いたことはないでしょうか。平均値よりも、調査対象全体の真ん中を示す中央値がどこかを知っておくほうが、ブレの少ない貯蓄額を把握することができるといわれています。
では、平均寿命における中央値は何歳なのでしょうか。厚労省の簡易生命表(2019年・令和元年)によると、平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳ですが、同年代の人口が半減するのは女性90~91歳、男性84~85歳となります。
つまり、2人に1人の割合で、女性は90歳まで、男性は84歳まで生きるということです。なお、4人に1人の割合で、女性は95歳まで、男性は90歳まで生きます。
ある年齢まで生きる割合を「生存率」という言葉で表現すると、生存率は平均寿命に近い女性87歳では63.71%、男性81歳で61.30%となります。わかりやすく例えると、3人に2人は平均寿命まで生きるということです。
筆者が、企業のライフプラン研修や一般向けのセミナーで寿命に関する事実を伝えると、貧血を起こすほどのショックを受ける人もいます。多くの人は寿命に対する考え方を改めることで、自身の家計や資産形成への意欲が芽生えます。
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