メガ損保決算で読み解くコロナ影響の深刻度

経済活動の停滞が直撃、海外保険金の増加も

2020年のゴールデンウィークの高速道路は、新型コロナウイルスの影響で閑散としていた(写真:時事通信フォト)

「新型コロナ(ウイルス)の影響を推し測ることは本当に難しい」

5月27日にオンラインで開催された東京海上ホールディングス(HD)のIR説明会で、同社の小宮暁グループCEOは神妙な面持ちで何度も繰り返した。

東京海上HDの2020年3月期の業績は、当期純利益が前期比5.4%減の2597億円だった。同社では「コロナが当グループに与える影響を現時点で合理的に算定することはできない」(小宮CEO)ことから、2021年3月期の業績予想について「未定」と発表した。

3メガ損保グループでは、MS&ADホールディングスが2021年3月期の当期純利益を前期比9.1%減益の1300億円、SOMPOホールディングスが同22.4%増の1500億円と発表しており、3者3様の決算となった。

対面営業の自粛で契約獲得に影響

3メガ損保はいずれも、国内損保事業に加えて、国内の生命保険事業、海外の保険事業の3つを中核としているが、業績予想で差が出たのはなぜなのか。

1つは、保険の売り上げに当たる収入保険料に新型コロナの影響をどのぐらい織り込むかだ。4月に緊急事態宣言が発令されて以降、保険代理店や生保の営業担当者は対面営業を自粛している。郵送やネットなど非対面で契約の更改などには対応していたが、緊急事態宣言解除後も全面的な対面営業の再開には時間がかかりそうだ。そのため、新規契約の獲得に影響が出ている。

加えて、自動車の生産は止まり、住宅着工は遅れ、海外渡航に制限はかかり続けている。物や人の動きが止まったことで、自動車保険や火災保険、旅行傷害保険など損保商品の販売は減少しそうだ。

MS&ADは2021年3月期の損保の収入保険料について、新型コロナの影響によって現時点で約900億円減少すると見込んでいる。一方、SOMPOは新型コロナによる影響は「合理的に算出できない」として織り込んでおらず、損保の収入保険料は前年度比で増収と予想している。

3メガで差が出た2つ目の理由は、金融市場の混乱による資産運用へのマイナス影響だ。3メガ損保は顧客から預かった保険料を運用して利益を上げている。東京海上は2020年4~6月の3カ月間だけで、アメリカ株の評価損や減損などで資産運用関連の利益が320億円減少すると予想している。

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