日本人は「投資に疎いこと」の損失をわかってない お金や投資についてあまりにも教えなさすぎる

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日本の学校教育は「投資」への理解度が不足しています(写真:Rhetorica/PIXTA)

ずいぶん前から言われてきたことだが、日本の教育現場では、なかなか実践的な資産運用を学ぶ機会がない。金利の計算方法をはじめとして、預貯金以外の投資信託や株式に投資するノウハウなどは、学校では教えてこなかった。

そういう意味では、大半の人が社会人になってから、お金のことを学ぶことになるのだが、そうした機会も証券会社とか銀行などの投資セミナー程度だ。近年、「確定拠出年金」が日本でも普及して、分散投資の方法などを学ぶ機会はあっても、日本人の多くはいまだに「資産運用」や「資産防衛」といったスキルを学ぶ、あるいは積極的に身に付けようという人は少ないのかもしれない。

そもそも銀行の窓口や証券会社といった資産運用の最前線の現場でも、きちんとしたアドバイスや解説をしてくれる人は、残念ながら日本では少ないのではないか……。それほど、日本国民の多くは資産運用の知識に疎いといっても過言ではない。

そんな状況の中で、遅ればせながら日本の高校の家庭科で、来年4月から資産運用をテーマにしたカリキュラムがスタートする。ほとんどこれまで注目もされてこなかった「投資教育」について考えてみたい。

金融先進国アメリカは幼児から金融教育?

もともと日本の教育制度では、オレオレ詐欺などが増えたために、「浪費」とか「詐欺」といった自分のお金や生活を守るための教育が行われてきた。資産形成というよりも、消費者目線、消費者保護の教育が重視されてきたわけだが、国際的に見れば偏った教育内容になっているという指摘があった。

実際に、最も投資教育が進んでいると言われているアメリカでは、2003年に「金融リテラシー教育改善法」が制定され、国民に対する投資教育を国家で取り組む法律が制定されている。同法に基づいて、財務省をはじめとして教育省、国防省、住宅都市開発省、社会保険庁など20の省庁が共同で「金融リテラシー教育委員会(FLEC)」を設置させている。

2006年には、そのFLECによって「金融リテラシー向上のための国家戦略」が公表され、国を挙げて経済教育や金融教育が推進されてきた。実際に、アメリカでは3歳から18歳の子供たちを、年齢階層別に分けて「子供が金融に関して賢く生きるために知っておくべき20の事柄」を定め、若年層の年齢ごとにお金そのものの知識から、資産運用=ファイナンスに関する知識も身に付けるべく決められた「お金の道しるべ(Money Milestone)」が定められている。

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