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「ベアやむなし」機運でも残る経済好循環への課題 ここ数年では中東欧にも抜かれ「貧しい国」に

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コロナ禍やウクライナ先頭が引き起こした世界的不安を解消できるのか。「2023年大予測」特集の政治・経済パートから抜粋。

会見する経団連会長の十倉雅和氏
ベアに対する経営者の抵抗感は多少薄まった(写真は十倉雅和・経団連会長、時事)

特集「2023大予測|政治・経済編」の他の記事を読む

ウクライナ、気候変動、インフレ……。混迷を極める世界はどこへ向かうのか。12月19日発売の『週刊東洋経済』12月24-31日号では「2023年大予測」を特集(アマゾンでの購入はこちら)。世界と日本の政治・経済から、産業・業界、スポーツ・エンタメまで108のテーマについて、今後の展開とベスト・ワーストシナリオを徹底解説する。この記事は本特集内にも収録しています。

近年にない高い要求水準

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近年、賃上げの必要性は日本社会のコンセンサスとなっている。第2次安倍晋三政権では、首相自らたびたび賃上げを要請。「官製春闘」への反発はあったが、2014年には主要企業の賃上げ率が13年ぶりに2%台に乗った。

「新しい資本主義」を掲げる岸田文雄首相も、2021年の就任直後から賃上げの重要性を強調してきた。とはいえ、ここ数年の賃上げ率は2%台前半で力強さを欠いていた。だが、2023年に向けて賃上げ機運はこれまでにないほど高まっている。

労働組合の中央組織である連合は、2023年春闘で3%程度のベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)分を合わせて5%程度の賃上げを求める方針を12月1日に決めた。5%という数字は前年より1%高く、1995年以来の高水準だ。

自動車や電機などの労組でつくる金属労協は、ベア相当分として前年の2倍となる月額6000円以上の賃上げを求める。流通・サービス業の労組でつくるUAゼンセンは4%程度のベアを含む6%程度の賃上げを、機械など中小企業の労組が中心のJAMはベア9000円を要求する方針。いずれも近年にない高い要求水準である。

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