コロナ禍やウクライナ先頭が引き起こした世界的不安を解消できるのか。「2023年大予測」特集の政治・経済パートから抜粋。
米ロが「管理する」戦争
ポーランドにミサイルが着弾、2人死亡──。2022年11月15日、世界に戦慄(せんりつ)が走った瞬間だった。
報道直後は、ミサイルはロシアが発射したもので、ウクライナの外に戦線を拡大したとの推測が出回った。ポーランドはNATO(北大西洋条約機構)加盟国。「加盟国への武力攻撃は全加盟国への攻撃と見なす」NATOをロシアが攻撃したとなれば、欧米諸国を巻き込んだ世界大戦へ発展する可能性が一気に高まる。
しかしアメリカのバイデン大統領は「ミサイルの軌跡から考えるとロシアから発射されたとは考えにくい」と述べ、ロシアによる攻撃であることを否定した。後にこの攻撃はAP通信による誤報であることが判明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ロシアが発射したもの」という姿勢を崩していない。とはいえ、この事態でわかったのは、米ロが、事態が思わぬ方向へ悪化しないようにコンタクトを取り続けているということ。すなわち、ロシアとウクライナの戦争ではあるが、実はアメリカとロシアの代理戦争という側面があり、さらには米ロが「管理する」戦争でもある。
とはいえ、戦争のダメージは日増しに大きくなっている。両国とも信頼できるデータを開示していないが、ロシアのショイグ国防相は2022年9月にロシア側の戦死者を5937人と発表した。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら