学者、文化人、そして経営者。世界と日本の知性は、未来をどう展望するのか。「2023年大予測」特集のインタビューシリーズから抜粋。
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アメリカのCNN「ファリード・ザカリアGPS」のホスト役として国政・外交問題を報じ、ワシントン・ポスト紙コラムニストとしても健筆を振るうのがファリード・ザカリア氏である。
同氏はベストセラー作家でもあり、エミー賞候補にもなった、ニューヨークの著名ジャーナリストだ。政治学博士でもあるザカリア氏に、米中関係や大統領選、ウクライナ戦争の見通しを聞いた。
米中は分別のある関係へ
──バイデン政権の今後をどう予測しますか。「ねじれ議会」で、議会は膠着状態に?
そうなるだろうが、さほど大きな問題ではない。新型コロナウイルス経済対策法からインフレ抑制法(IRA)まで、すでに多くの法律が誕生したからだ。
バイデン大統領は、1960年代半ばに(公民権法など)数々の法律を制定した民主党のリンドン・ジョンソン大統領以来、同党が成し遂げた最も野心的かつ歴史的レベルの業績を上げている。
──米中関係の見通しを教えてください。
アメリカの政権の対中リバランス(再均衡)が進行中だ。かなりの強硬路線に舵を切っている。共和党に批判の余地を与えないためだ。
その一方で、米中非難合戦という敵対的な外交がやや軟化し、限界はあるが、もっと分別のある関係を目指す動きも予想される。
──2022年秋に発表されたハイテク対中輸出規制強化策は「アメリカの対中戦略における大転換点」だとする報道もあります。
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