藤原新也のレンズが捉えた「指原莉乃」世代の絶望 『祈り』著者、写真家の藤原新也氏に聞く

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写真集『祈り』の著者、藤原新也氏
藤原新也(ふじわら・しんや)/写真家。1944年生まれ。東京芸術大学絵画科油画専攻に入学後、『インド放浪』発表。76年日本写真協会新人賞、77年第3回木村伊兵衛写真賞、81年第23回毎日芸術賞受賞。『全東洋街道』『東京漂流』『メメント・モリ』『アメリカ』『渋谷』『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』『日々の一滴』など著書多数。(撮影:尾形文繁)
1972年の『インド放浪』から50年。アジア、アメリカ、欧州、日本と世界を旅し、写真、絵画、書、小説など幅広いメディアで、荒々しい時代の断層を発信し続けてきた。78歳になった今、写真家の目に映る風景とは。
祈り
『祈り』(藤原新也 著/クレヴィス/2970円/300ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──都内で同タイトルの写真展も始まりました。いわゆる50周年記念事業という位置づけですか?

回顧展とは、ここであなたは終わりと引導を渡されるということ。それはやらない。僕は過去の自分にも写真にも、あんまり興味ない。今回は、膨大な作品群から何が表現できるか、に発想を絞った。

タイトルの「祈り」は、インド・ガンジスの夜明けにボートを浮かべているとき撮った写真から。見ていたら、ふと「祈り」という言葉が生まれた。祈りとは単純だけどあらゆるものを包括する言葉。祈りというテーマの下に作品に光を当ててみようかと。すると見え方がまったく違ったんだよね。

言葉ってすごく重要で、「回顧」の意識で見た場合と「祈り」で見た場合とでは、写真がまったく違っている。震災後の写真、子どもが花を持っている写真、被写体によって祈りという言葉の意味がどんどん変わっていくわけ。僕の写真すべてに祈りみたいなものが通底していることに気づいた、これまで意識してなかったけど。

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