北朝鮮との交渉を14年間担った元外交官の証言 『北朝鮮外交 回顧録』著者・山本栄二氏に聞く

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山本栄二(やまもと・えいじ)/1957年生まれ。創価大学法学部卒業。外務省入省後、米ハーバード大学院(修士)、韓国・ソウル大学などに留学。外務省北東アジア課首席事務官、在韓国日本大使館公使、東ティモールなどの特命全権大使を歴任。2021年退官。著書に『現代韓国の変化と展望』。
米中対立にウクライナ侵攻と、世界に不穏な空気が広がっている。日本のお隣にはそうした空気を拡散させるような北朝鮮がいる。
非核化への圧力を物ともせず核実験や弾道ミサイル発射を繰り返してきた隣国との関係を、正常化できるのか。これまでの日朝間のやり取りを知る元外交官の山本栄二氏に聞いた。

北朝鮮外交で強く意識したこと

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──1990年から14年間、北朝鮮との交渉を担われました。

ちょうど日朝両国が動き、日本でも北朝鮮への関心がとても高まった時期でした。また朝鮮半島情勢自体も大きく変わり始めました。今回、このような時期に外交に関与した者として、今後の教訓とすべく、記録に残さなくてはと感じたのです。

──北朝鮮外交は「崖っぷち外交」と称されてきました。本書から、日朝間でもタフな交渉が行われてきたとわかります。

北朝鮮は、日本などほかの国と大きく異なっています。建国以来、指導者は3人で、しかも世襲のため政権交代のようなものはない。そのため、政治・外交の仕組みも変わっていません。例えば、交渉の際には、朝鮮労働党や北朝鮮外務省の担当者としてほぼ同じ人間が出てきます。日本などに比べ、一貫した外交は北朝鮮のほうがやりやすいのです。

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