基準に達していなくても「プライム」に上場できる不思議。しかも、経過措置には期限もない。
「機関投資家の投資対象になりうる時価総額を持つ企業の市場」──。これが4月4日から始動した東証プライム市場のコンセプトだ。だが、その理念に対し現実は程遠く、多くの機関投資家が怒りを通り越して失望しているのが実情だ。
プライム市場には、時価総額がわずか27億円(3月25日時点)の企業でも上場できる。プリント基板の製造受託、ピーバンドットコムだ。トヨタ自動車の同35兆円と比べ、1万分の1以下である。
投資の対象にならない
下の図はプライム市場と米ニューヨーク市場の上場企業の時価総額分布を比較したもの。プライム市場で最も多いのは時価総額が100億~250億円の企業。全体の約2割を占める。一方、ニューヨーク市場で100億~250億円程度の企業は1割に満たない。
「最低でも1000億円程度の時価総額がないと投資対象にならない」と複数の機関投資家は不満をこぼす。
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