ニッケル暴騰で1200億円借りた専門商社の懐事情 鉄鋼商社の阪和興業、デリバティブ取引が裏目

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鉄鋼専門商社の阪和興業がニッケルに関係したデリバティブ取引をめぐり、1200億円を借り入れることになった。何があったのか。

ニッケル価格が暴騰している。写真はニューカレドニアのニッケル鉱山(写真:BIOSPHOTO/時事通信フォト)

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ニッケル価格の暴騰で1200億円を借り入れ――。

鉄鋼商社の阪和興業は3月14日、ニッケルなどのデリバティブ(金融派生商品)取引に対する追加保証金の対応策として、1200億円の資金の借り入れを行ったと発表した。

ニッケル相場は過去1年間にわたり1トン2万ドル前後で推移しており、阪和興業は上昇しても2万5000ドル程度と想定していた。

しかし、ウクライナ侵攻によりロシアからの供給懸念が広がり、ニッケル価格は3月7日終値で4万8078ドルまで上昇。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル相場は3月8日に一時、1トン10万ドルを超えて過去最高値を更新した。

あまりにも急激な相場上昇を受けて3月8日から15日まで取引停止となり、市場はパニックに襲われた。16日に再開された取引では、7日終値を適用するという異例の措置がとられた。

特定融資枠を使い、1200億円を調達

ニッケルは、ステンレス鋼や電気自動車(EV)などに搭載されるリチウムイオン電池の部材に使われる。インドネシアやフィリピン、ニューカレドニアなどと並んでロシアが主要な生産国となっている。近年はEV需要の高まりで価格は上昇傾向にあったが、これにロシアリスクが拍車をかけた。

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