森林大国のロシアによるウクライナ侵攻は、さらなる木材価格上昇を招くのか。業界関係者は先行きに危機感を募らせている。
木材価格の高騰が続く「ウッドショック」。およそ1年にわたり影響が長引く中、ここに来てウクライナ危機の余波が市場に襲いかかろうとしている。
林野庁によると、日本の木材輸入元としてロシアは7番目の国となる。直近の2022年1月の実績は、木材輸入額ベースで91億円だった。
ロシアは国内の木材業界保護を目的に、2022年1月から針葉樹や一部の広葉樹の丸太の輸出を禁止している。このため日本にロシア産の丸太は入ってこない。ただし製材については、ヨーロッパからの26万3000立方メートルに次ぐ9万1000立方メートルがロシアから輸入されている(いずれも2022年1月実績)。
「現在、日本国内のロシア産木材の在庫は豊富で、ロシアで新たな仕入れ契約は進んでいないと聞く。経済制裁が短期で終われば供給面に響くことにはならない」。日本木材総合情報センターの武田八郎調査役はそう見通す。ロシアから輸入する木材を主に扱う北陸地方の木材商社の営業担当者も、「足元ではロシアのウクライナ侵攻による影響は出ていない」と言う。
寄港船が減れば調達難航の恐れ
ウクライナ危機のマイナス作用は現時点では限定的とはいえ、先行きは予断を許さない。
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