ロシア「ウクライナ侵攻」の原因、誤算、今後の焦点 大和総研・菅野ロンドンリサーチセンター長に聞く

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ウクライナに対してロシアが暴挙に至った背景とは何か。今後はどんな展開が予想されるのかを聞いた。

ウクライナのゼレンスキー大統領(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

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2月24日、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始した。ロシア国境からドンバス地域へ、ベラルーシからキエフへ、クリミアから北上の3つのルートで侵攻。ウクライナのミサイル防衛力の弱さを突いて、ロケットや巡航ミサイルによる軍事施設の空爆を行った。キエフ陥落は不可避とみられる。
ロシアが暴挙に至った背景と先行きについて、大和総研ロンドンリサーチセンター長・シニアエコノミストの菅野泰夫氏に話を聞いた。

ドンバスの紛争解決を目指したミンスク合意

――急転直下の全面侵攻になりました。

ウクライナ紛争は基本的には領土問題であり、当事者であるロシアとウクライナが話し合ってミンスク合意の再締結、いわば「ミンスク3」を決めてドンバス地域に自治権を付与するといった方向へ進むのが理想的だった。それが無理だとしても、ロシアによるドンバス地域のみへの介入・駐留で済むのではないかとみていたが、最悪の展開になってしまった。停戦交渉は難航するかもしれないが、一刻も早い解決を望みたい。

――問題はどこにあったのでしょうか。

軍事行動は言語道断だが、プーチン大統領はウクライナを占領しようとか併合しようという気はないだろう。当初の目的はドンバス地域に住むロシア系住民の保護や、ドンバス地域に自治権が付与されて、ウクライナが財政的負担を負うことであり、いずれは「ドネツク人民共和国」、「ルガンスク人民共和国」が国家として承認されることだった。

――ミンスク合意ですね。どのような内容だったのでしょうか。

ミンスク合意は2回ある。まず、2014年9月に、欧州安全保障協力機構(OSCE)が支援して、ベラルーシの首都ミンスクで、ウクライナ、ロシア、ドンバス地域の未承認の「ドネツク人民共和国」、「ルガンスク人民共和国」の4者が署名したドンバス戦争の停戦合意。しかし、これが機能しなかったため、さらにドイツとフランスが仲介する形で、2015年2月に改めて署名された包括的措置がミンスク2だ。

具体的な内容は、ウクライナと分離独立派双方の武器使用の即時停止、停戦のOSCEによる監視、ウクライナ・ロシア間の安全地帯の設置とOSCEによる監視、ウクライナ領内の不法武装勢力や戦闘員・傭兵の撤退、ドネツク・ルガンスクの特別な地位に関する法律の採択、両州での選挙などだ。

しかし、クリミア併合時にロシア軍に大敗を喫したウクライナは、不利な条件で合意を結ばされたとの思いが強かった。

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