ロシア経済制裁で注目される「SWIFT」とは何か 中島真志教授に聞く「制裁」の実効性とその限界

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ロシアに対する経済制裁で注目を集める「SWIFT」について、国際金融の専門家である中島教授が解説する。

SWIFTは国際的な資金取引には欠かせない。写真はSWIFTのサイト(編集部撮影)

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ヨーロッパ連合(EU)およびその主要国であるフランス、ドイツ、イタリア、そしてアメリカ、イギリス、カナダは2月26日、経済制裁によってロシア経済に打撃を与えるべく、国際的な金融情報通信ネットワークである「SWIFT」(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)からロシアの主要銀行を排除する方針で合意した。
同時にもう1つの強力な制裁手段として、ロシア中央銀行に対してドル資産などの外貨準備を事実上凍結することも明らかにした。ウクライナへの侵攻に端を発した欧米によるロシアへの経済制裁は、ついに究極の段階に近づこうとしている。
国際金融の専門家で『SWIFTのすべて』(小社刊)の著者でもある中島真志・麗澤大学教授に、今般の欧米によるロシア経済制裁の意味とそのインパクトについて聞いた。

世界的な金融機能を支えるインフラ

――SWIFTからのロシアの銀行の排除は、最も強力な金融制裁の選択肢と目されてきました。そもそもSWIFTとはどのようなものでしょうか。

SWIFTとは、金融機関同士が資金取引などに関するメッセージを交換するサービスを、国際的な情報通信ネットワークによって提供している組織だ。世界200カ国以上、約1万1000の金融機関を結んでいる。

日本やアメリカなどの各国には、中央銀行を中核とした、銀行間の資金決済ネットワークが存在する。日本には日銀ネット、アメリカにはFedwire(フェドワイヤー)といった資金決済のためのネットワークがある。

各銀行は中央銀行に口座を持っており、それらの口座を介して銀行同士での資金決済が行われている。他方、国際金融の世界では、「世界中央銀行」のような組織がないため、主要な銀行同士が「コルレス契約」を結び、お互いに「コルレス銀行」として資金をやり取りしている。

たとえば、日本の企業A社がアメリカの取引先B社に製品の輸入代金を支払う場合、日本のC銀行を通じてコルレス契約先のアメリカのD銀行に資金を送る。その時にC銀行からD銀行に対して、「B社の口座に100万ドルを払い込んでください」というメッセージが送られる。SWIFTは、こうした国際的な送金メッセージのやり取りを可能にしている。

かつてはテレックスを使って手作業でメッセージをやり取りしていた。しかし、送金の件数や金額が飛躍的に伸びていく中で、メッセージの送り方を標準化することで効率的なやり取りの必要性が生じた。そこで1973年にSWIFTが創設された。SWIFT自体は金融機関ではなく、決済システムでもないが、国際的なコルレス銀行網や決済システムを支える基本インフラとして世界的な金融機能を支えている。

――今回、なぜ経済制裁の手段としてSWIFTが選ばれたのでしょうか。

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