ロシア極東の天然ガスプロジェクト「サハリン2」をめぐり、三井物産や三菱商事が2000億円を上回る資産価値の減額を行った。日本としても、代替調達先の確保などを準備しておく必要がある。
日本の大手商社が参画するロシア極東の天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、8月5日、ロシア国内に新たな運営会社が設立された。
6月30日付のロシア大統領令に定められた措置であり、現在の運営会社の外国株主であるイギリスのシェルや三井物産、三菱商事は、1カ月以内に参加するか否かの意思表明をしなければならないとされている。
はたして日本企業の権益は守られるのか。サハリンから日本への液化天然ガス(LNG)の安定供給は今後も維持されるのか。天然ガスビジネスに詳しい、日本エネルギー経済研究所の橋本裕研究主幹にインタビューした。
ロシアは魅力的な投資先でなくなった
――ロシア政府による一連の動きを踏まえ、三井物産や三菱商事はサハリン2に関して2000億円を上回る資産価値の減額をしました。ロシアの投資環境は一変してしまいました。
これまでロシアにおける外資系企業の権益は、同国の生産物分与契約(PSA)法に基づいて保護されてきた。しかし、それを否定する内容の大統領令が発出されたことにより、今後、ロシアにおいて外資が権益を確保してエネルギービジネスを行うことは事実上不可能になってしまった。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら