有料会員限定

「弾薬が十分でない自衛隊」は張り子の虎である 兵站を充実させ「戦える部隊」に今こそ脱皮を

印刷
A
A

装備品の補給や整備など兵站は十分でない。このままでは張り子の虎になる。

訓練では使用する弾薬量はあらかじめ決まっているが、実戦では膨大な量になるはずだ(写真:時事)

特集「自衛隊は日本を守れるか」の他の記事を読む

近年の戦争は、陸・海・空の通常兵器の戦闘だけでなくサイバー空間なども含めた「ハイブリッド戦争」の様相を呈している。これは平時と戦時の区別のない戦争である。目標を限定したハイブリッド戦争では、サイバー攻撃や電子戦、特殊作戦などにより作戦遂行は短期間に終了する。

各国は新たな戦争形態に適応できるよう、戦車、大砲など重戦力の削減を進める一方で、新たな戦い方のために兵器や装備品の開発を急いでいる。

今回のウクライナ戦争において軍事関係者にとって意外だったのは、ロシア軍の重戦力を重視した陸上での作戦に対し、ウクライナ軍の、訓練された小部隊を用いて敵の弱点を巧みに突く作戦が奏功していることである。ロシア軍の部隊同士の連携と兵站(へいたん)活動の悪さも相まって、ウクライナ軍の健闘が結果として目につく。

中国の軍事的脅威にさらされる日本にとってウクライナ戦争から導き出される教訓は何か。日本の自衛隊(とりわけ陸上自衛隊)は、どんな戦い方をすればよいのか。普通科連隊長や幕僚の経験などを基に考察したい。

兵站が作戦を規定する

ウクライナ戦争での何よりの教訓は兵站の重要性である。兵站は、兵器・装備品の補給や整備、負傷兵の後送・兵士の補充などのこと。訓練は決まった日数の下で、決まった補給品を使用して行われるが、実戦はいつまで続くかわからないうえ、戦闘状態によっては兵站量は膨大な規模になる。軍隊では兵站支援を行える範囲が戦闘可能な範囲といわれるほどで、部隊規模が大きくなればなるほど、兵站が作戦を規定する。

次ページ「弾切れ」を起こせば戦闘終了
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
トヨタ国内販売幹部が交代、増える受注残に危機感
トヨタ国内販売幹部が交代、増える受注残に危機感
ニトリ、家具の王者が「家電攻略」に動き出す必然
ニトリ、家具の王者が「家電攻略」に動き出す必然
パナソニック「指定価格」導入に揺れる家電量販店
パナソニック「指定価格」導入に揺れる家電量販店
「カップ麺の牛乳戻し」、子どもの食生活が危機的だ
「カップ麺の牛乳戻し」、子どもの食生活が危機的だ
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
自衛隊は日本を守れるか
安全保障のキーワードを10分でやさしく解説
核開発を急ぐ金正恩総書記の真の狙いとは
自民党国防族、積極派・消極派の2人を直撃
米中の核戦略が均衡する30年後が正念場
2人の元政府高官よる、対照的な中国抑止論
ICBM格納庫の建設は中国の自信の表れ
「情報を公開して戦う」新しい戦争のやり方
兵站を充実させ「戦える部隊」に今こそ脱皮を
昇任競争の1番手「1選抜」が駆け上がる
ガラパゴス化する装備品ばかりで国防に不安
豪州、トルコ、ポーランド…と各国から注文
意外な組合わせは「ウィンウィン」になる可能性
建て前とは別に、攻撃可能な装備品を開発中
自衛隊の主力装備品、価格と性能を徹底解説
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内