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世界の常識は日本の非常識、装備品開発の黒歴史 ガラパゴス化する装備品ばかりで国防に不安

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自衛隊は軍隊としてガラパゴス。防衛費増でも国防力は伸びない。

陸上自衛隊が行う「総合火力演習」。自慢の装備は世界レベルか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

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防衛費を増やしても国防力は強化されない――。実は防衛省・自衛隊は信じられないほど軍事常識と当事者意識、能力が欠如しているのをご存じだろうか。他国の軍隊も官僚組織であり不合理なことが多いが、防衛省・自衛隊のレベルの低さは問題だ。「防衛省・自衛隊の常識は、国防省・軍隊の非常識」といっても過言ではない。

その端的な例が、2022年3月に日本政府がウクライナに対して防弾チョッキ3型改、88式鉄帽などを供与したことだ。岸信夫防衛相は「装備品はわが国でしっかり試験をしたうえで、わが国の基準に合わせている」と述べた。一見、もっともらしい発言だが、これは自国装備の実戦データを取るせっかくのチャンスを自ら放棄し、装備開発によくない影響を与えてしまうことなのだ。

世界の軍隊は、実戦において能力を証明された、いわゆる「コンバットプルーブン」(combat proven)の装備を好む。実際にイラク戦争やアフガニスタンでの戦闘では、米軍や英軍の防弾装備に多くの問題が発見され、それを速やかに改良した。そうすることが当然なのである。

戦後一度も実戦経験がない日本

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