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突然浮上した「核共有論」はなぜ空振りだったか 安全保障のキーワードを10分でやさしく解説

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難解な用語が飛び交う安全保障分野。10のキーワードで激変する国際情勢を理解するうえでポイントとなる知識を解説。

核シェアは安倍晋三元首相が議論の火付け役になった(写真:毎日新聞社/アフロ)

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1. 核共有(核シェア)

核保有国が同盟国と核兵器を共有すること。NATO(北大西洋条約機構)加盟国の中で、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコの5カ国が米国との共有体制を取り、米国の核兵器を自国の領土内に配備し、搭載する戦闘機を自国で用意している。東西冷戦時代、旧ソ連の核に対抗するため導入された。共有する核兵器は、米国と加盟国双方が合意しなければ使用できない。

日本で核共有が注目されたのは、今年2月、安倍晋三元首相がテレビ番組で発言したのがきっかけ。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、日本でも議論すべきだとの考えを示した。3月、自民党内の安全保障調査会は専門家から意見を聞くなどしたが、核を配備した基地が攻撃対象になるおそれが強いなどの理由から、「日本にはなじまない」との結論になった。政党では日本維新の会が核共有に理解を示している。

政治家や専門家の間では、日米同盟による米国の核の傘の下で、すでに米国の抑止力が働いていると理解されていることから、日本に核を置いた場合、攻撃対象になりやすく、得策ではないという見方が有力だ。米国も核兵器の運用が複雑になるほか、核の拡散につながるため、日本との核共有に同意することはないとみられる。 

2. 敵基地攻撃能力

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