知的障害のある人に「依存」、逆転の福祉ビジネス 『異彩を、放て。』著者の松田文登氏・崇弥氏に聞く

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双子の弟でヘラルボニー社長の松田崇弥氏と、兄で副社長の松田文登氏
左から文登さん、崇弥さん。インタビューは、崇弥さんは対面、文登さんはリモートで同時に話を聞いた(写真:ヘラルボニー)
松田文登(まつだ・ふみと)/ヘラルボニー副社長。1991年生まれ。東北学院大学卒業。建設業の株式会社タカヤで被災地の再建に従事した後、ヘラルボニーを設立、営業統括。岩手県在住。双子の兄。
松田崇弥(まつだ・たかや)/ヘラルボニー社長。1991年生まれ。東北芸術工科大学卒業。企画会社オレンジ・アンド・パートナーズのプランナーを経て、ヘラルボニーを設立、クリエーティブ統括。東京都在住。双子の弟。
ユニークかつ高品質な雑貨、鉄道駅舎・空港ギャラリー・工事現場の仮囲いを鮮烈に彩るアート──。ヘラルボニーは、知的障害のある作家の芸術作品を商業展開する創業4年のスタートアップだ。作品の芸術的な価値を正当に評価したうえで値付けをし、作家にロイヤルティーを支払いつつ、ビジネスとして成功を収めている。双子の創業者には、知的障害を伴う自閉症の兄がいる。
異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える
『異彩を、放て。 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える』(松田文登、松田崇弥 著/新潮社/1650円/192ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──本書ではヘラルボニーの事業を「障害のある人に“依存”しているビジネス」と表現しています。

崇弥:僕たちは会社として「異彩を、放て。」というメッセージを出していて、とくに知的障害がある人たちのイメージを変えることをテーマに4年間走ってきました。

障害のある人が特別な価値を生み出し、その仕事の正当な対価を得るという選択肢は、これまでほとんど存在しませんでした。でも、僕たちが契約作家のクリエーティビティーを美しいまま美しい形でアウトプットしていけば、それを見た障害のある人たちが「自分も挑戦していいんだ」と思えるようになるかもしれない。

福祉ビジネスを逆転「被支援者」を「稼ぎ手」に

文登:株式会社の形態で取り組むからこそ意味があると思っています。ミッションは、福祉領域の拡張。従来の福祉ビジネスを逆転させた新しい世界観を示していく。この挑戦が、他社に広がる可能性もあると思っています。

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