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「預貨だけ」のビジネスにわれわれの未来はない 三菱UFJFG亀澤宏規社長が目指す意識改革

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ウクライナ戦争に端を発しエネルギー価格が上昇し、金利や為替などにも波及していくなど急激な変化があった2022年。2023年も波乱が見込まれるなか、三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤宏規社長が今後の見通しを語った。

三菱UFJフィナンシャル・グループ 社長 亀澤宏規氏
亀澤宏規(かめざわ・ひろのり)/三菱UFJフィナンシャル・グループ 社長。1961年生まれ。86年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、三菱銀行入行。融資企画部長、市場企画部長、三菱UFJフィナンシャル・グループ副社長などを経て、2020年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

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金利や為替、物価高騰……。波乱が見込まれる2023年の見通しについて、三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤宏規社長に聞いた。

生き残り懸ける銀行カルチャー改革

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──2022年を振り返ると?。

ウクライナ情勢を引き金にエネルギー価格が上昇し、金利や為替などにも波及していった。1つの均衡が崩れ、影響がここまで多岐にわたるとは予想していなかった。

一方、当社の2022年4〜9月期決算は、業務純益が過去最高だ。(融資や手数料などの)顧客部門がとくに伸びた。手元流動性の確保や成長投資の資金調達に加えて為替ヘッジの依頼も多い。顧客の課題解決に寄り添えたのではないか。

──2023年度は、現在の中期経営計画が最終年度を迎えます。

ROEや利益目標は必達だ。ただ、(純利益で)1兆円という目標は、(中計初年度の)2021年度にすでに達成している。2022年度も、米ユニオンバンクの売却に伴う一過性の影響を除けば、実質的には過去最高益が見えている。

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