学者、文化人、そして経営者。世界と日本の知性は、未来をどう展望するのか。「2023年大予測」特集のインタビューシリーズから抜粋。

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世界的な生物学者で、大ベストセラーとなった『銃・病原菌・鉄』でピュリツァー賞を受賞しているのがジャレド・ダイアモンド氏だ。ダイアモンド氏に「パンデミックの教訓」について聞いた。
用意周到だったフィンランド

──パンデミックに続き、ウクライナ戦争が起きました。
パンデミックは終息したとはとても言えないが、感染症が地球上からなくなることはない。まず住んでいる国、地域に関係なく、パンデミックから学ぶべき教訓は何かを考えなければならない。
教訓は2つあると思う。1つはフィンランドのようになれ。スウェーデンとともにNATO(北大西洋条約機構)加盟を発表したのは、賢明な決定だ。
フィンランド人は歴史から学ぶ国民であり、フィンランドの政府委員会のメンバーである私の友人は、「われわれはうまくいきそうにないすべてのことを予測し、それに対して備えることを対ソ戦争から学んだ。だから政府委員会を設置し、うまくいきそうにないことを洗いざらい出し合って、最悪のシナリオに備える」と話していた。
例えば、配電網が切断されたら何が起きるのかを予測する。ロシアは先の戦争でフィンランドの配電網の10%をカットしたが、フィンランドはすでにそのシナリオに対して備えがあったのでパニックにならなかった。
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