有料会員限定

大病経験した出口氏が「未来を楽観している」理由 短期的見方からは悲観的な考えしか生まれない

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

学者、文化人、そして経営者。世界と日本の知性は、未来をどう展望するのか。「2023年大予測」特集のインタビューシリーズから抜粋。

コロナ禍を経ても、APUが目指す姿は「従前から何も変わらない」と話す出口氏(撮影:尾形文繁)

特集「2023大予測|スペシャルインタビュー」の他の記事を読む

ウクライナ、気候変動、インフレ……。混迷を極める世界はどこへ向かうのか。12月19日発売の『週刊東洋経済』12月24-31日号では「2023年大予測」を特集(アマゾンでの購入はこちら)。世界と日本の政治・経済から、産業・業界、スポーツ・エンタメまで108のテーマについて、今後の展開とベスト・ワーストシナリオを徹底解説する。この記事は本特集内にも収録しています。

60歳でライフネット生命保険を起業、70歳で立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任するなど年齢や前例にとらわれない生き方を体現し続ける出口治明氏。2021年1月に脳卒中を発症も、たった1年で復職を果たした。大病を経験しリハビリを続ける暮らしの中、出口氏の目に映る今の日本社会とは?

世界中に散らばる卒業生ネットワーク

週刊東洋経済 2022年12/24-12/31【新春合併特大号】(2023年大予測 108のテーマで混沌の時代を完全解明!)
『週刊東洋経済 2022年12/24-12/31【新春合併特大号】(2023年大予測 108のテーマで混沌の時代を完全解明!)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

――APUは海外から多くの留学生を受け入れています。新型コロナ禍で運営に変化はありますか?

さまざまな国の学生を「混ぜる教育」をやるという運営方針は何も変わっていない。さらにこれからは次のステージ、社会の課題をみんなで考えて「解を出す」に取り組んでいく。

2022年9月末時点でインド、インドネシア、ラオス、バングラデシュなどアジアをはじめエジプト、タンザニア、サモアなど日本を含めて実に103もの国・地域出身の学生が学んでおり、目標としてきた100をこのコロナ禍にあって超えた。これだけ偏りなく多国籍の学生たちが集まって、一緒に学ぶことができる面白いキャンパスはほかにはない。

大学創立から20年ちょっとの間に、国連人権高等弁務官となったフィリピン出身の卒業生のほか、20人ほどの卒業生が国連関連機関で働いている。僕の夢は、今後20年以内に卒業生が多いインドネシアで大統領が出ることだ。

次ページ気になるのは男女差別
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
2023大予測|スペシャルインタビュー
異分子として現場に入り、育成を「発火」させる
短期的見方からは悲観的な考えしか生まれない
東京大学・渡辺努氏「賃上げ5%は実現できる」
哲学者・國分功一郎「ゆっくり思考する時間必要」
「自分たち都合の付加価値」に傾倒していないか
戦争終結には我々が言葉を発していくしかない
米CNNホスト、ファリード・ザカリア氏に聞く
「FRBの過度の利上げは世界金融危機を招く」
ジャレド・ダイアモンド氏が抱く「深刻な懸念」
日本発条名誉会長、日翔会会長 玉村氏が語る
企業のシステム投資加速で5年先までは堅い
三菱UFJFG亀澤宏規社長が目指す意識改革
野村ホールディングス トップが語る成長戦略
侍ジャパンチーム監督・栗山英樹インタビュー
居酒屋はコロナ前の7割が常態化、優勝劣敗が加速
国際線専門LCC、ZIPAIR Tokyo西田社長に聞く
水素など新エネルギーの社会実装を試していく
量より質、高付加価値に見合う価値を求める
働き方は「未来起点」から「現在起点」に変化した
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内