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認知症者の生活を快適にする「作業療法」の工夫 リハビリだけじゃない、症状進行の抑制効果も

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頭が洗えなくなる、トイレが分からなくなり失禁してしまう。認知症になると生活の日常動作をスムーズに行うことが難しくなっていく。そこで役立つのが作業療法だ。リハビリだけではない、作業療法の工夫を紹介する。

大きな太文字でシャンプーと書いたラベルを貼ったシャンプーボトル
文字で示すなど作業療法的な工夫は効果的(写真:筆者撮影)

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アルツハイマー型認知症である筆者の実母(88)は長年、湯舟につかるのが日課で、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で暮らすようになってからも自室のユニットバスで入浴を続けていた。

週刊東洋経済 2022年12/3特大号[雑誌](認知症 全対策)
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しばらくは習慣で湯につかり、頭や体を洗えていたが、あるときから洗髪ができていないような汚れが目立つようになった。

週刊東洋経済 2022年12月3日号(11月28日発売)は「認知症 全対策」を特集。介護から予防、費用、相続まで認知症のあらゆる対策を網羅する。

「いよいよ入浴介助サービスを導入しなければ」と思ったが、サ高住の介護士がある工夫をしてくれた。

その工夫とは、いくつか並ぶボトルのうちシャンプーに大きな太文字で「シャンプー」と書いたラベルを貼り、さらに目の前に「①シャワーで髪を濡らす、②シャンプーを手に取り洗う」と洗う手順を書いたプレートも貼るというもの。すると驚くことにまた、自分で洗髪できるようになった。

次ページ日常動作をスムーズにする工夫とは
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