アリセプトなどの認知症薬は、症状の進行を一時的に遅らせる効果があり、当事者、その家族にとっては支えとなる存在だ。しかし、嘔吐やふらつき、攻撃性を高めるなどの副作用もあり、ときには介護者の負担が増すこともある。
わらにもすがる思いで薬を処方してもらっていたが、副作用には気が回らなかった──。
そう振り返るのは、18年にわたってアルツハイマー型認知症(AD)の実母の介護をしていた60代の男性だ。働きながら在宅介護を続けていたが、母親の感情がしだいに高ぶり攻撃的になってきたのに気がついた。
週刊東洋経済 2022年12月3日号(11月28日発売)は「認知症 全対策」を特集。介護から予防、費用、相続まで認知症のあらゆる対策を網羅する。
献身的介護にもかかわらず暴言を浴びせられ、つらい思いをすることもあったという。この男性の母親は、「アリセプト」という認知症薬を飲んでいた。その薬に「攻撃性や興奮性を高める」といった副作用があると知ったのは、介護を終えた後だった。
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