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劇作家・渡辺えりが語る「認知症介護」の心構え 遠距離介護でも罪悪感を抱かないでほしい

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両親の介護に長年携わってきた劇作家の渡辺えり氏。同氏に認知症の遠距離介護のつらさ、介護制度の課題を聞いた。

劇作家・演出家・俳優の渡辺えり氏
渡辺えり(わたなべ・えり)/劇作家・演出家・俳優。1955年生まれ。山形県出身。舞台芸術学院、青俳演出部を経て、78年「劇団3○○」を設立。83年『ゲゲゲのげ』で岸田國士戯曲賞受賞。97年劇団解散後も多方面で活躍 (撮影:梅谷秀司)

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劇作家で俳優の渡辺えり氏。山形の介護施設に暮らす認知症の両親の介護に長年携わり、介護をテーマにした戯曲も手がけている。

週刊東洋経済 2022年12/3特大号[雑誌](認知症 全対策)
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週刊東洋経済 2022年12月3日号(11月28日発売)は「認知症 全対策」を特集。介護から予防、費用、相続まで認知症のあらゆる対策を網羅する。

同氏に遠距離介護のつらさ、介護制度の課題を聞いた。

──来年1月から始まる舞台『喜劇 老後の資金がありません』(京都・南座、東京・新橋演舞場)は、2021年に続く再演となります。

前作が好評で再演が実現した。長女の結婚資金、舅(しゅうと)の葬儀代、認知症の姑(しゅうとめ)の介護など、50代の主婦がタイトルどおり「老後の資金」に振り回される事態に見舞われる悲劇を明るく描いている。とくに女性は年齢を重ねると、家族にも理解されがたい孤独を抱えてしまうもの。時々お茶を飲みながら愚痴をこぼし、心のつらさを分かち合える友人の存在が大切だ。

劇中に、葬儀屋から高額なひつぎを買わされてしまうシーンがある。私も父の葬儀の際に葬儀屋とまったく同じやり取りをした。こういう状況は劇中のフィクションではなく現実に起こりうるものだ。

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