有料会員限定

食い物にされる認知症者、成年後見制度の惨状 横領に移動制限、トラブルにどう対処するか

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
拡大
縮小

認知症になると、銀行口座が凍結されることがある。そこで、認知症の人の代わりに資産管理などを行うのが成年後見人制度だ。後見人は弁護士などが選ばれることが多いが、勝手に不動産を売却されるなどトラブルが起きることもある。どうトラブルを回避するか解説する。

弁護士の後見人が被後見人を操り人形のように扱うイラスト
(イラスト:フクイヒロシ)

特集「認知症 全対策」の他の記事を読む

2000年にスタートした成年後見制度。立法担当者によれば、「家族が無料で、家族の後見人をする想定で制度を設計した」という。しかし近年、家庭裁判所により家族が後見人に選ばれるのは2割程度で、8割は成年後見業界に参入してきた弁護士や司法書士などが選ばれている。

週刊東洋経済 2022年12/3特大号[雑誌](認知症 全対策)
『週刊東洋経済 2022年12/3特大号[雑誌](認知症 全対策)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

週刊東洋経済 2022年12月3日号(11月28日発売)は「認知症 全対策」を特集。介護から予防、費用、相続まで認知症のあらゆる対策を網羅する。

家族以外が携わる“後見ビジネス”がもたらす惨状と対処法を紹介する。

今年に入り、熊本県の後見人弁護士が、自らが担当する被後見人2人の資産2億4000万円超をギャンブルにつぎ込んでいた疑惑が持ち上がり、業務上横領の疑いで所属する熊本県弁護士会から刑事告発された。その後逮捕され、家庭裁判所は後見人を解任した。

次ページ“無駄な”ことをするのは報酬を増やすため
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
認知症 全対策
最終段階の臨床試験で抑制効果確認、23年申請へ
ポイントは良好な関係構築と力を奪わないこと
認知症対策の要は「10年前との違い」に気づくこと
発症の仕組みから診断方法まで専門医が回答
大ヒット作『認知症世界の歩き方』著者に聞く
遠距離介護でも罪悪感を抱かないでほしい
認知機能が低下する前に手を打つことが重要
介護費用を5パターンでシミュレーション
横領に移動制限、トラブルにどう対処するか
相続対策と資産凍結対策を兼ねる家族信託とは
100万円単位の診断一時金を出すタイプが主流
知識や理解だけでは乗り切れない介護の現実
介護拒否や物盗られ妄想、どう対応するべきか
高齢者の見守りに、最新家電を手軽に活用
悪徳施設を避けるには「安・近・短」に要注意
リハビリだけじゃない、症状進行の抑制効果も
認知症者が住みやすい社会へ、官民連携を推進
40代で「認知症」を発症、絶望から救った出会い
少人数開催の「小さなカフェ」が成功例に
治療法から生活支援まで急速に研究が進む
薬が本当に必要か、チェックする姿勢が重要
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内