高齢化社会が進展し、認知症は「国民病」ともいえるほど身近な病となった。しかし、なぜ発症するのか、どうやって診断するのか、基礎を正しく理解する機会はそう多くない。「認知症の基本」についてQ&A形式で解説する。
高齢化が進む中、認知症は「国民病」といえるほどの病になりつつある。しかし、どのような病気なのか、どうして発症するのか、正しく理解する機会はそう多くない。
週刊東洋経済 2022年12月3日号(11月28日発売)は「認知症 全対策」を特集。介護から予防、費用、相続まで認知症のあらゆる対策を網羅する。
認知症の基本的な疑問について、アルツクリニック東京院長で老年精神医学が専門の新井平伊・順天堂大学名誉教授に回答してもらった。
症状は5~10年かけてゆっくり進行
A 認知症とは病名ではない。脳の病気などにより認知機能が低下し、日常生活に支障が出てくる状態のことだ。
代表的な症状は、ついさっきのことが思い出せないなどの「短期記憶障害」、時間や場所がわからなくなる「見当識障害」。これらの「中核症状」は、認知症の人ならほぼすべての人に起こりうる。
一方、「中核症状」や環境などの要因により誘発される抑うつや妄想などは「行動・心理症状(BPSD)」と呼ばれる。こうした症状は通常5~10年かけてゆっくり進行する。「認知症になったらすぐに何もわからなくなる、できなくなる」というのは誤りだ。
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